肝臓機能低下における腹水とは

 

腹水とはその名の通り、何らかの原因でお腹に水がたまることを言います。
肝臓が悪くなると腹水の症状を発することがありますが、肝臓が悪くなるとなぜ水がたまってしまうのでしょうか。

 

健康診断などで肝臓の機能低下数値の上昇などを指摘されて将来の健康が気にかかるようになった人のために、この記事では腹水と肝臓についてまとめていきます。

 

 

腹水と肝臓がんの関係について

まず肝臓がんと腹水の関係性から探っていきましょう。

 

なぜ腹水の症状が発生するのか

アルブミンの減少

肝臓がんによる腹水の主な原因は、血液の中に存在するタンパク質・アルブミンの減少が原因のひとつといわれています。
このアルブミンは肝臓で生成されるもので、普段は血液の中の水分量を一定に保つ役割を担っています。

 

しかし、肝臓がんによる肝機能の低下によって生成・役割が低下し、水分のコントロールが難しくなるためにお腹に水がたまってしまうのです

 

門脈の圧迫

肝臓がんによる腹水のもうひとつの原因は、がん細胞が肝臓の門脈を圧迫することで流れが抑えられ、血液中の水分がうまく流れなくなるためです。

 

これにより腹水のコントロールも上手く働かなくなり、腹水が過剰にたまってしまうのです。

 

健康な人にも腹水はある

腹水と診断される人だけではなく、実は健康な人でも数十ミリリットルの腹水を保有しており、腸の動きをスムーズに補助する「潤滑油」の働きを持っています。

 

お腹に水がたまることをもっと詳しく言えば、内臓と内蔵の隙間にある腹腔(ふくくう)と呼ばれる部分に水がたまるということになります。
水とは言うものの、実際には血管やリンパ節から染み出した液体であり、その成分はタンパク質や電解質などです。

 

 

腹水の治療の流れ

たまりすぎた腹水の治療は、利尿剤などを利用して徐々にゆっくりと水を抜くことが中心となります。
腹水を構成しているのはもともとは血液中の栄養素であり、いきなり抜いてしまうと体へのショックが大きく負担がかかるため、治療は慎重におこなわれます。

 

腹水による体への影響

腹水がたまることで、息苦しさ体重の増加尿の量の減少腹部の強い圧迫感などの症状が起こります。
たまりすぎた腹水のなかに細菌が繁殖し、腹膜炎のきっかけとなることもあるため放置は危険です。

 

具体的な治療の方法

腹腔穿刺(ふくくうせんし)

利尿剤などの薬剤でも改善が見られない場合は、直接腹水を抜くために専用の管をお腹に挿して水を抜いていくことになります。

 

輸液を調整する

 

腹水の症状がある場合、輸液治療(点滴)を行うとたまる水の量が増大してしまうケースがあるため、輸液の量を調整して腹水を減少させる治療方法がとられる場合があります。

 

がん患者に対する輸液治療のガイドラインをもとに、個人の体調や状態に合わせた輸液コントロールが行われます。

 

腹腔静脈シャント

シャントとは人工的に動脈と静脈を繋いだ血管を造る治療法で、腹腔穿刺が必要とされる患者の水分とタンパク質の喪失を防ぐ目的で行われます。

 

腹腔静脈シャントによる効果はこの治療を施した人の78%程度に認められており高い治療効果を有する反面、シャント閉塞心不全肝性脳症腹膜炎血栓塞栓症などの合併症を引き起こす確率も25〜50%と高くなっています。

 

食事療法

食事内容を全体的に減塩の方向にすることで、腹水を減少させる効果があることについて研究が進められています。
肝臓の病気である「肝硬変」による腹水量の管理には非常に効果的な方法であるとされ、推奨されるまでになっています。

 

腹水を抜くことは肝臓がんの治療ではない

肝臓がんによる腹水のそもそもの原因は肝機能の低下にあり、腹水を抜くことは根本的な治療にはなりません。
腹水による圧迫感などの症状をやわらげるための処置であり、腹水を解決したところで肝臓がんの治療にはならないのです。

 

一般的に肝臓がんによる腹水はがんの末期に近い症状であり、腹水が過剰にたまり始めるとがんの症状が相当進んでいるものと判断されます。

 

 

まとめ

 

腹水によるお腹の張り痛みなどの症状を感じる頃にはある程度進行してしまっていることも多く、早期発見や早期治療のための定期検診が生存率を大きく上げる鍵となります。

 

肝臓がんは、適切な治療を行えば根治が可能ながんでもあるので、普段から肝機能の低下を防ぐ生活を心がけて負担を減らし、万が一のがん治療に耐えられる肝臓を維持することもポイントです

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